高脂血症の治療法  
     
   治療の目的は高脂血症によってもたらされる血管合併症を予防していくことです。その一つは口からはいるコレステロールを減らすこと。もう一つは運動を介して善玉のコレステロールをふやし,LDLコレステロールが肝臓などで取り込まれやすくし血管に入っていかないようにすること,そしてクスリを使って肝臓で作られるコレステロールを減らすことです。これに活性酸素を減らすような食事や生活を心がければなお効果的です。単独のものに頼るのではなく複数を組み合わせることが大切です。でも大概は生活に問題のある方が多いのではないでしょうか?高脂血症の治療において生活の見直しはやはり基本的なものです。  
   
  食事療法のポイント  
     
 
・食行動の改善 ・・一日3食たべていますか?
・・食事量はなるたけ均等に
・・早食い、どか食い、ながら食いはやめて!
・食事内容の改善 ・・バランスのとれた食事をする
・・店屋物が多くないですか?
・脂肪・・・・・・・質と量を考える---肉より魚がお勧め
・・魚の不飽和脂肪酸がコレステロールを減らします
・・多価不飽和脂肪酸を多く含むものをとる。
・・オイルにも気を使いましょう
 
     
 
脂肪酸 多く含まれる食品 働きの特徴
多価不飽和脂肪酸

n-3系

魚など

血液の流れをよくする
LDL、HDLどちらも下げる
n-6系 サラダオイルなど 酸化されやすいので動脈硬化を進行させる危険がある
一価不飽和脂肪酸 オリーブオイルなど LDLコレステロールを下げる
酸化されにくい
飽和脂肪酸 肉など LDLコレステロールを上げ、動脈硬化を進行させる
 
     
 

○ n3 多価不飽和脂肪酸---しそ油、エゴマ油、カラシ油などのα-リノレン酸、DHA、EPA

○ n6 多価不飽和脂肪酸---ごま油、コーン油、リノール酸など、大量摂取でHDLコレステロール低下
○ 一価不飽和脂肪酸---他に菜種(キャノーラ油)、べに花油(リノール酸の多従来型もあるので注意)

○ 飽和脂肪酸 : 一価不飽和脂肪酸 : 多価不飽和脂肪酸の割合は 3 : 4 : 3 にするのがよいといわれています。

○ コレステロールの多い食品に注意
○ 食物繊維をたっぷりと・・・・・・食物繊維は胆汁酸の排泄を促進し、コレステロールを減らします。
○ 抗酸化食品を積極的に・・・・・コレステロールの酸化を防ぎます。緑黄色野菜を積極的に!
 
   
  運動療法の意義とポイント  
   
   運動はなかなか継続することの難しい治療法かもしれません。特に30〜50台といった年代は厚生労働省の調査結果を見てもなかなか時間が摂りにくい一面もあるようです。しかし,運動の週間のある人の方が死亡率が低いという報告もあり,積極的に行うことをお勧めします。ただし,糖尿病などの心臓病危険因子をお持ちの方は先にメディカルチェックを行ってからがよいと思います。  
   
 
○ 運動量の目安 = 100〜150Kcal/日
○ 一週間に3日以上
○ 30分〜40分を目安に
○ 軽く汗ばむ程度

○ 脈拍は大体120/分くらい・・・正確には138−年齢/2

○ 有酸素運動----全身の筋肉を使う運動----
- ウオーキング,水泳,エアロビックダンス,サイクリング,ジョギングなど
- 短距離走や重負荷の運動は脂肪より糖質の燃焼をおこし,脂肪を減らすには適しません。
- 膝や腰に問題がある場合にはプールでのウオーキング,水泳が効果的。
 
   
     
 
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